起立性調節障害(OD)の鍼灸治療では体質や症状に適した五臓六腑を治療していきます。
大きくは次の内臓を治療します。
1、脾胃(ひい)2、肝
順番に見ていきます。
東洋医学の五臓六腑の一つ、脾(ひ)は体内で内臓や物質を体の上のほうへ持ち上げる力、上昇させる働きを持っています。
その持ち上げる力が低下してしまうことが立ちくらみ、起立性低血圧に関係しています。立ち上がった時には、自動的に血管の自律神経が働き、下半身の血管が収縮します。そうして上半身や頭部に血流を維持しますが、その自律神経の働きに脾の力が働くと考えらます。
そのため起立性低血圧の症状には脾の働きを回復させることが第一となります。
また朝起きられない症状には胃の働きが悪いことが関係していると考えられます。起立性調節障害の症状に朝に食欲がないことや、気持ち悪さ、むかつきなどの症状があることからも、胃の働きが大きく関係しているとみることができます。
胃の働きはその先にある小腸や大腸の働きにも影響しています。起立性調節障害によくみられる腹痛は小腸、あるいは大腸で起こっていると考えられますが、そのおおもとには胃の問題があると推測されます。
肝は気を流す働きを持っています。脾胃(ひい)の働きには肝の力が大きく関わっています。肝の状態が悪くなると脾胃の機能も低下します。
そのため脾胃(ひい)の機能低下の陰には肝の不調が隠れている可能性があります。