目次
鍼灸で使うツボは自律神経が集まった場所と言われています。
そのためツボを刺激すると自律神経が反応します。
自律神経には2種類あります。
1、体を興奮させ、活動する時に働く交感神経。
2、体を鎮静させ、休息する時に働く副交感神経です。
その2種類の自律神経がツボを通して調整され、全身の機能が調整されます。
ツボによって作用が違い、体質・症状に適したツボを使います。
内臓や神経だけでなく、筋肉にもツボの力は影響します。
私はツボは
「自律神経のリモコン」
と言えると思っています。
テレビや本などで紹介される一般的なツボ押しはある程度の強さで押します。
ツボ押しは健康のために実践されている方もいらっしゃるかもしれません。
私が「ツボのおけいこ」で紹介しているのは私が毎日行っているセルフツボケアの方法です。
一番の特長は
1、力が要らない
2、指や手が疲れない
部位や状態によっては力が必要なこともあるかもしれませんが、基本的には軽い力で行うことができます。
私自身がどんなに疲れている時でもできるように方法を工夫しました。
テレビを見ながらでも、寝る前の布団の中でもできます。
私の場合をお話すると、副腎疲労症候群の不調時でもできました。
ほんの少しだけ「ツボケアしよう!」という気力が必要かもしれませんが、実践できます。
アトピーの方の場合は、動くと皮膚が痛いので疲れている時と同じくらい動けないかと思います。
そんなお体でも腕やお腹には手を伸ばせるのではと思います。
健好式ツボケアはとても簡単な方法でできます。
ツボケアの刺激方法はいくつかありますが、ここでは基本的なツボケアの方法をご紹介します。
ツボケアで不調改善・体調管理のために必要な副交感神経や交感神経を適度に刺激することができます。
(言葉での説明は難しく、わかりにくいと思います。今後画像も追加していく予定です。)
(2017.11/6公開のツボケアの内容を2018.2/16によりわかりやすく整理しました)
自律神経には2種類あります。
体がリラックスして休息する副交感神経
体が興奮して活動する交感神経
内臓は副交感神経で高まる働きもありますし、交感神経で活動が高まる働きもあります。
ツボは自律神経に働きかけますが、
刺激も副交感神経か交感神経のどちらを高めるかで少しだけ違います。
主なポイントは3つあります。
1、力
2、時間
3、回数
順番に説明していきます。
ツボを押す力の目安はパソコンのマウスをクリックしたり、ドラッグ&ドロップするくらいの力が基準となる目安です。
《副交感神経》
副交感神経を高めるためには、クリックするくらいの力で充分です。
それよりも軽くすると、よりリラックスする反応が得られることがあります。
《交感神経》
交感神経を高める場合には、クリックするよりも少し強めの力で押しましょう。
もしも変化が感じられない場合には痛くならない程度に強めにすると良いでしょう。
ツボの弾力の状態によっても力を強くする場合もあります。
脂肪の上の場合にも強く押すことがあります。
時間は1秒が基準となる目安です。
《基本的な押し方》
まず基本的な押し方をやってみましょう。
1秒間押し続けて、1秒間押すのを休みます。
例)
「イチ」で押します。「ニィ」で押すのを休みます。数え方は準備体操をする時のように
1,2(イチ、ニィ)
2,2(ニィ、ニィ)
3,2(サン、ニィ)・・・
と数えていきましょう。
《副交感神経》
副交感神経を高めるためには
2秒押し続けて、2秒押すのを休みます。
例)
「イチ、ニ」で押したままです。
「サン、シ」で押すのを休みます。
数え方は準備体操をする時のように
1,2,3,4(イチ、ニ、サン、シ)
2,2,3,4(ニ、ニ、サン、シ)
3,2,3,4(サン、ニ、サン、シ)
・・・
と数えていきましょう。
体を休息させて、低下した内臓の回復を目的とする場合は基本的に副交感神経を高めます。
《交感神経》
交感神経を高めるためには、1秒間押して、一瞬指を戻して押すのを休み、またすぐに押します。
例)イチで押す、ニィで押す、サンで押す、シィで押す、ゴォで押す・・・
病気によって朝や昼間の交感神経の機能が低下していることがあります。
交感神経を刺激して働きを高めることで、体や内臓を活動させるのが良いこともあります。
ただし無理に働きを高めてしまい、疲労してしまう可能性があるのでやり過ぎないように注意が必要です。
昼間のツボ押しで眠くなる場合にはそれぞれのツボのツボ押しの最後に、交感神経を高める強めのツボ押しを5~10回ほど付け加えてください。
回数は20回が基準となる目安です。
例)
1、2、3、4で数える場合、20、2、3、4で20回です。
1,2で数える場合は、20、2で20回です。
《副交感神経》
副交感神経を高める場合には回数が多くても良いです。
お時間がある時や、ツボが気持ち良く感じる時は50~60回くらいでも良いでしょう。
《交感神経》
交感神経を高める場合には回数が多すぎると過剰な刺激になることがあります。
思わぬ反応が出る可能性があります。
20回よりも少ない10回でも良いでしょう。
多くても30~40回までにしましょう。
疲れている時、面倒な時、時間がない時は10~15回でも良いです。
なんかやる気がしないなぁ・・・という時なら、指を置いているだけでも良いでしょう。
それだけでもツボは反応してくれます。
副交感神経、交感神経どちらの場合でも、休んでいる間のコツが2つあります。
1、ツボを全く押さないようにします。
2、指は皮膚から離さず、皮膚に付けたままにします。
ツボケアをしている間に自律神経の反応が起こることがあります。
あくびが出たりして、眠くなったりします。
特に体が弱っている時にはあくびが止まらないことがあります。
その他には
頭がボーっとする
無意識に深呼吸をする
どの反応も体がリラックスして鎮静する副交感神経が働いている状態と判断します。
体の変化は体質、体調、症状によりますが、6時間~10時間くらいで変化が現れ始めます。
夜にツボケアをした場合は、一晩寝た翌朝に体の変化を感じやすいかと思います。
体を休息・回復させる時には主に副交感神経が働きます。
副交感神経は夜に最も高まります。
基本的には夜の副交感神経を高めるツボケアが良いでしょう。
しっかり睡眠、休息を取っているのに疲労感やだるさを感じる場合には交感神経が弱っていることがあります。
その場合には交感神経のツボケアを副交感神経のツボケアと合わせて行うと良いでしょう。
交感神経が働くことで、体や精神が活動のための興奮状態になるようになります。
①食事の前後1時間のツボケアは控えましょう。
②痛みを感じるほどの強さで押すのは控えましょう。
③回数を多くしすぎることは控えましょう。「過ぎたるは及ばざるが如し」です。
副交感神経の場合は50~60回、交感神経の場合は30~40回ほどでやめておきましょう。
④押しているツボが気持ち良くない場合は、途中でも押すのを止めましょう。
⑤ツボケアを続けていて症状の悪化や、体調がなんとなく悪くなったと感じた時はいったんツボケアを控え様子を見ましょう。
⑥昼間にツボケアをして、その後眠くなって困る場合の対処です。
各部位のツボ押しの後に交感神経を高める強めのツボ押しを5~10回ほど付け加えてください。
例)イチで押す、ニィで押す、サンで押す、シィで押す、ゴォで押す
⑦夜のツボケアで眠れなくなる場合の対処です。
1、押す力が強すぎるかもしれません。マウスをクリックするよりも軽い刺激をしてみましょう
2、副交感神経の刺激方法を「ちょんっ」といった感じの軽くて瞬間的な刺激に変えてみましょう。
例)
「イチ」でちょんっ、「二ィ」で休む、「サン」で休んだまま、「シィ」で休んだまま
尖ってはいませんが、これも鍼道具です。
名前はテイ鍼(鍉鍼)と言います。
小児はりで使用するものです。
丸い頭に突起が付いています。
指よりも軽い力でツボケアができるので、指が全く疲れません。
丸い頭で柔らかいツボ刺激ができます。
突起部分を使うとピンポイントで刺激することもできます。
この鍼道具を使ると、鍼灸師ではない一般の方でもツボを探すこともできます。
テイ鍼の購入をご希望の方には健好庵まで注文を頂き、取り寄せることができます。
使い方はツボケア教室《ツボのおけいこ》でお伝えしています。