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副腎疲労の東洋医学

 東洋医学で観る副腎と五臓六腑の関係

副腎は腎臓の上に乗っかっている三角形の臓器です。西洋医学で説明されている副腎の働きは多岐に渡ります。
副腎疲労の症状を東洋医学で分類すると肝・心・脾・肺・腎の五臓全てに関係しています。

肝:ストレスに対処、イライラ
心:頭脳・精神活動
脾:血糖の調節
肺:呼吸器
腎:尿の生成調節、性ホルモンの生成、恐怖の感情、免疫

これらを順番に見てみます。

ストレスは肝

肝虚

副腎疲労になる大きな要因はストレスです。ストレスと一言でいっても精神的なストレスと、体に負担がかかる身体的ストレスがあります。肝はその両方のストレスに大きく影響を受けます。

肝が気や血の巡りをのびやかに流すことによって精神的に安定します。
イライラしやすくなったりするのは肝の働きが弱っているためと考えることができます。

頭脳活動は心

心虚

副腎疲労では認知能力、判断能力が大きく低下します。東洋医学では五臓それぞれが精神活動に関係していますが、心はその活動の中心に位置しています。
頭脳・思考活動が鈍る症状には心の働きが弱っていると考えられます。

血糖値調整は脾胃

脾虚   

副腎は血糖値の調整にも関わっています。血糖値の急上昇、急低下が起こる機能性低血糖症の症状が多く見られます。脾(ひ)は西洋医学的には膵臓に当たるとされています。膵臓は消化液を分泌して食物を分解します。そして血糖値を下げるインスリンや血糖値を上げるグルカゴンを分泌します。

また脾は活動エネルギーである気や、栄養分である血を作り出し、全身に運ぶとされています。血液中の糖も気や血と見ることができます。

血糖値の調整にはいくつかの内臓が関わっていて、副腎もそのうちの一つです。脾が弱ることによって食物を消化して気や血を作り、全身に運ぶ働きに問題が起こっていると見ることができます。

また副腎疲労では胃もたれやムカツキ、胃痛なども起こります。脾だけでなく、脾胃の両方が弱っていると考えられます。

胃虚

呼吸器は肺

肺虚

副腎疲労になると呼吸器の病気にかかったり、悪化したりします。咳が長く続いたり、風邪にかかりやすくなります。またハウスダストやダニに反応したり、喘息の発作が起こりやすくなったり花粉症に悪化したりします。
またシックハウス症候群などの化学物質過敏症などの症状が見られます。
また逆に長期に渡る呼吸器の感染症が副腎疲労につながるとされています。

東洋医学では肺は外の環境から体を守る時に一番最初に働きます。肺は外気にいつも接しています。肺の働きが弱ることで空気や環境に反応しやすくなると考えられます。

水分、性ホルモン、免疫は腎

腎虚

副腎は解剖的には腎臓の上にあります。そのため副腎と腎臓の関係は深いと考えられます。副腎に関する東洋医学的な腎の働きは複数あります。

水分代謝の調節
腎は西洋医学と同じように尿の生成に関係します。尿だけでなく、全身の水分代謝に関係すると考えられています。
副腎は尿を作るホルモン、アルドステロンを分泌しています。副腎疲労ではムクミが起こりやすくなります。

性欲、性ホルモン
腎はホルモンに関係するとされています。ストレスホルモンと言われるコルチゾールは副腎が作っています。しかし、腎臓が作るホルモンはコルチゾールだけではありません。男性、女性の両方の性ホルモンも作っています。特に更年期以降の性ホルモンは男女ともに副腎の働きが深く関わっています。

恐怖や不安、驚き
東洋医学では感情とそれぞれの五臓が関係しているとされていて、腎は恐怖と驚きに関わっています。腎が弱ってしまうと恐れを感じやすくなったり、驚きやすくなるとされています。
恐れを感じた時には副腎や交感神経の末端からノルアドレナリンが分泌されます。
副腎疲労の症状では恐怖や不安を感じやすくなると言われています。不安は「対象がわからない漠然とした恐怖」と言われています。

免疫
東洋医学では腎は免疫の働きにも関係するとしています。副腎疲労ではアレルギーが悪化したり、炎症が起こりやすくなったり、アトピー性皮膚炎が悪化したりするなどの皮膚疾患が悪化します。
リウマチなど免疫異常による病気も副腎疲労と関係するとされています。

副腎と似ている「三焦」の働き

東洋医学では五臓六腑の中に「三焦(さんしょう)」というものがあります。
五臓六腑の「六腑」には胆、小腸、胃、大腸、膀胱があります。
そして6番目が「三焦」です。

三焦は西洋医学的で対応する内臓はありませんが、リンパ液を流すリンパ管に当てはまるとされています。

三焦は腎と深い関係があります。
その三焦の働きと副腎には共通性が見られます。

三焦の働きは大きく2つ

1 (腎の)元気を運ぶ
2 体内の水分(リンパ液)を運ぶ

三焦は腎が貯蔵している元気を、気のエネルギーが流れる経絡に運ぶことで全ての五臓六腑に影響を持っています。
水分を運ぶ働きでは同様に水を運んだり、水分代謝(入れ替え)を行う肺や脾や腎と深い関係にあります。

推動

このように気と水を運ぶ働きを通して、全身に働くのが「三焦」の働きです。
そして副腎も気力や活力、水分代謝の働きで全身に影響を与えています。

これらのことからさまざまな機能、症状に関係する三焦と副腎との共通性が見えます。

東洋医学による副腎疲労の治療

副腎疲労症候群は
副腎に負担がかかって疲れてしまった状態です。

東洋医学の眼で観ると副腎に負担がかかり、疲れてしまったのは
五臓全ての働きに関わっているからです。

西洋医学による副腎疲労の治療は、副腎の働きに必要な栄養素を補う栄養療法が中心です。
しかし、なにかを忘れてしまっているような気がします。

東洋医学による副腎疲労の治療は副腎だけでなく、五臓六腑にも目を向けます。

大きくは4つ

1 ストレスに対処する肝、心(正しくは心包)
2 副腎を回復させるために必要な気や血液、水分を吸収・生成する脾胃や肺
3 副腎に最も関係の深い腎
4 そして副腎と働きが似ている三焦

このように副腎が疲労から回復するために五臓六腑も合わせて治療していきます。

副腎疲労の鍼灸治療

鍼灸は気のエネルギーが流れる経絡やツボを使って治療をしていきます。
五臓六腑を観て治療することは、漢方治療と同じです。

ただ副腎疲労の治療において鍼灸に特長的なことがあります。
副腎に関係が深いと見られる三焦の経絡とツボがあります。

三焦のツボを五臓六腑のツボと合わせて使うことで副腎の回復を図ります。

副腎疲労と生活習慣

副腎疲労を治すためには生活習慣が一番大事です。
治療に取り組んでいらっしゃる方はすでに実践されていると思います。

ここでは要点だけ挙げておきます。

  1. 甘い物、カフェイン、アルコールなどを控えて血糖値の安定
  2. ほどほどに運動して副腎をほどほどに使う
  3. ストレス発散
  4. しっかりと休む、寝る

 

※副腎疲労については今後も加筆予定です


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